説明不良かもしれませんが、一応、ボクスターってどういう車は説明しておきます。長らくMidshipの量産車を作っていなかったポルシェが1996年に久しぶりに送り出したオープンカーです。初代の986は、RRである911の996と前半を共有し、後半をRRからMRにし、オープンカーにしたものです。当初は2.5Lでしたが、後に3.2LのSが追加され、更にスタンダードモデルも2.7Lになりました。
そして、1994年に二代目の987にモデルチェンジされました。これもまた911の997と前半を共有しています。当初は986と同じ2.7Lと3.2Lでしたが、その後、Sは3.4Lになっています。
また、ボクスタークーペといえるケイマンも2005年に登場しています。ケイマンはボクスターの幌をとってハッチバックの屋根をつけたものです。
スペックやらなんやらはWikipediaやらなんやら世の中に色々情報はあるので省いて、そういう情報では分かりにくい部分について述べます。
まずドア。ドアの開けるのに注意が必要です。ドアノブを引くとサイドウインドウが少し下がります。閉めた時はドアが閉まった後に少し上がります。こうして下から幌のふちに押し上げて、気密性を高めています。なので、引きなりドアを引いてあけるとまだサイドウインドウが下がりきっていないのに開けられて破損する恐れがあります。
シートは標準では、アルカンターラ／レザレットシートというものですが、まあ、要するに合皮です。サイドサポートは悪くありませんが、シートの上部は細身でショルダーサポートがありません。私だと肩がはみ出ます。これは不満です。スポーツシートにすると良くなりますが、スポーツシートはオプションで74500円ですが、実はこれ単体では駄目で、スポーツシート用のレザーシート、254500円とのセットオプションです。なので、33万円！これは高い。
シート調整は前後スライドと上下は手動ですが、バックレストの調整は電動です。なんか変な気がしますが、まあ、角度調整は無段階が良いということでしょうか？ドアミラーは電動リモコン式ですが、格納は出来ません。手動でも基本的には出来ません。ぶつかったら折れ曲がるというようなものです。
ボクスターは実はオートエアコンはオプションです（ケイマンは標準）。もっとも日本のディーラーが仕入れている車はオプション装着済のものばかりですから、事実上は標準で、レスオプション可能、というのが実態に近いでしょう。
オプションの話をすると、現状、ディーラーが在庫としてもっている車は、バイキセノンヘッドライト、シートヒーター、オートエアコン、ウインドリフレクター、ストレージボックス、のオプションがついているものがほとんどです。ですから、MTで582万、ATで624万という車両価格（08モデル）は、実際には40万高い、MTで622万、ATで644万というべきでしょう。注文生産であれば、何も付かない582万で買うことも出来るというのが正しいと思います（エリーゼSのエアコンみたいなものですね）。まあ、これらのオプションは標準であってしかるべき装備内容ですので、日本のディーラーのやり方は間違ってはいないとは思います。どちらかといえば、日本仕様は標準にして、車両価格も最初からあげておくべきでしょう。
エリーゼと違って（当たり前だ）、幌は電動式でラッチは手動ですが、後はスイッチだけで開閉されます。また、サイドウインドウが自動的に一度下がって、開閉が終わるとまた元に戻ります。S2000では、幌を開ける時にサイドウインドウは自動的に下がりますが、後で自動的に上がったりはせず、下がったままです。おお、高級車だ（笑）。なお、停車状態ではスイッチを押したままにしていないと開閉動作は途中でとまります。そして、50km/hまでなら走行中に開閉出来ます。この時には一度押せばスイッチから手を離しても後は開閉は完了します。走行中に開閉した方が楽です。
電動の部分が多く、前後のトランクもバッテリーがあがると開けられなくなります。このため、コクピット内にボンネットフードを開けるための端子があります。まずここに外部から電源を供給してボンネットを開けて、そこにバッテリーがあるので、今度はそこへつないでエンジンをかけるということが必要です。
ドアを閉めても施錠しないとしばらく照明がついています。そのうち消えますが、最初なんでついているのかわからず悩みました。それから施錠したまま一週間程度そのままにしておくとバッテリー消耗防止のため、パワーセーブモードに入り、リモコンでは開錠できなくなります（苦笑）。
室内に荷物を置くスペースは余りないと言われます。リアの幌の下の部分にリアストレージボックスというのがありますが、高さがなく、薄いかばんがやっと入るかどうかです。実際にはほとんど使い道ありません。ドアポケットは蓋付きの小さいものがあります。センターコンソールも小さいながらあります。もちろん、グローブボックスもあります。が、シート後方がやはり主要な荷物置き場です（一人なら助手席）。とはいえ、この手の車としては少ないと言えないでしょう。エリーゼと比べたら（笑）。
トランクはフロントが150L、リアが130Lです。この手の車としては合計280Lは広いと言えるでしょう。そして、フロントトランクは広さはそこそこですが深いという形状をしているため、実際には使いやすいです。荷物が動きにくいですし、高さがあるので、例えば、クーラーボックスをいれることも出来ます。リアは浅く広くなので、旅行カバンなどを入れるに適しています。
装備は充実と言うか、スペックだけ見るとやはりピュアスポーツカというよりはラグジュアリーというか、スポーティカー、GTという印象を受けます。プロムナードカーという表現も出来るでしょう。しかし、走らせるとこれがまた違うのですが・・・・。