人員輸送車二号

　私名義の車で、初めてのターボ、初めての四輪駆動、そして始めてのＳＵＶです。まさか、こんな車が我が家にくることがあるなんて思ってもいませんでした。そして、その後の展開もまったく予想していなかったものになってしまいました。過給器と前輪を駆動する車、車高が高い車が嫌いな私にとって、この車がＡＷに準じる車になるなんて。

　という訳で、２０１３年式、フォード　クーガが我が家にやってきました。

クーガって、どんな車

　乱暴に言えば、２代目フォーカスベースのＳＵＶです。ただし、車高を上げただけのなんちゃってＳＵＶではなく、しっかりＳＵＶとして作られています。ストロークは長く、スタッドレスに交換しようと手持ちのフロアジャッキで上げたら上がりきれませんでした（苦笑）。まあ、最低地上高が低い車用のジャッキだったせいもありますが。実際にオフロードを走らせることはないでしょうが、相応に走れる車になっています。最近の車のように色々なモードはありませんが。オフロードでなくて、大雪が降ってもお腹が引っかかってスタックすることはありませんし、縁石などに乗り上げても平気です。ま、気を付けないと車止めを乗り越えてしまいますが（苦笑）。

　エンジンは２代目フォーカスＳＴの２．５４Ｌ直列５気筒ターボエンジンをデチューンしたものです。５気筒エンジンの独特の音がしますが、これがなかなか良いです。踏んで回して音を楽しみたくなりますが、燃費が悪くなります。また、２．５２Ｌなので自動車税は３Ｌと同じです（苦笑）。横置きＦＦをベースにした四駆で、通常はＦＦ、必要に応じて後輪も駆動します。上りのコーナーで踏むと後ろ脚から押されるのが感じされます。この感じが私は好きです。トランスミッションは普通のトルコンＡＴで、５速なのは原型の古さを示しています。その代わりシフトダウンによるエンジンブレーキは良く効きます（笑）。パドルはありませんが、引いてアップ、押してダウンの正しい向きです。変速速度は並みです。シフトレバーはインパネに近い位置にあり、とても操作しやすいです。そして安心のサイドブレーキ（笑）。

　シートポジションは高く、車のシートというよりも普通の椅子に座っている感じです。そのおかげで長時間乗っても疲れません。グレードはＴｉｔａｎｉｕｍなのでレザーです。革はなんだかビニールみたいで余り高級感はなかったのですが、耐久性があり、座り心地も良く、見た目よりも優れたものでした。約７万ｋｍ走っても余り皺は出来ていません。

　後部座席もクッションが厚く、実際には前よりも動きは大きいのですが、乗り心地は良いです。また、前部座席よりもかなり高いので見晴らしが良いです。グラスルーフがついていますので、後部座席からは空もよく見えます。前部座席の背もたれにピクニックテーブルがついているので、二人で出かけた時に後ろに座って持ってきたものを食べることも出来ます。これがなかなか楽しいです。

クーガの良かった点

　ステアフィール、ステアフィール、ステアフィール！！基本設計が古いおかげで油圧パワステです。でも、それだけじゃないでしょう。どちらかと言えば軽めですが、フィードパックはきちんとありますし、高速巡行しても疲れません。パワステ付きで過去最高です！これを超えられる車はもう出てこないでしょう。それもあり、高速巡航は得意です。極めて安定しており、どしっとしています。シートの良さもありますし、疲労度は極めて低いです。

　ボディ剛性感は必ずしも高くないのですが、実際の剛性は相応に高いようです。乗り心地は基本的には良いです。街中だと大きく重たいタイヤがどたどたする感じがありますが、高速巡航では落ち着きます。ま、ストロークが長いので若干上下の動きは大き目ですが。

　エンジン音が良いです。独特の音がします。車が重たいので、スペックほどのトルク感はありませんが、十分な動力性能です。ま、燃費が悪いので普段はエコランで余り踏むませんが。

　ハンドリングは良いです。ＳＵＶとして、とつける必要はありません。絶対的には重く、重心も高いのですが、そこらの車をけちらせる位の走りが出来ます。ま、調子に乗ると酷い目に合うので、ほどほどに抑えるべきですが。しかし、スペックからは想像できない走りをします。

　シートヒーターがダイヤル式です。良くあるのは三段階ですが、これだとだいたい１でもすぐに熱くなったりしますが、クーガはアナログですから、最初は最強の５、温まってきたら徐々に落として、最後は微弱にすることも出来ます。これは素晴らしいです。使えばわかります。他にこれは記憶にありません。

　どこでも走れます。ＳＵＶだから当たり前と言えばそうですが、路面が悪くても気にせずに走れますし、路肩や縁石に乗り上げても平気です。ま、これはクーガに限らず、ＳＵＶのメリットですが。

　視点が高いので相方的には見晴らしが良くて良いとのこと。また、後部座席が高く、後に座ると見晴らしが良いです。グラスフールからも見晴らしが素晴らしいです。

クーガの悪かった点

　エアコンが弱いです。夏場、外気温が３４度位になると暑いです。一時間位全開にしてやっと効いてきます。また、冬場でも４度前後だと何故か曇って、デフロスターでもとれません。もう少し気温が低いか高いと問題がありません。サンルーフのシェードが薄い布です。網？完全に遮蔽出来ません。暑いのはこのせいもあるかもしれません。

　小回りが効きません。最小回転半径が５．８ｍなので仕方ないですが。Ｕターンする時に苦戦しますし、車庫入れでも辛いです。

　燃費は良くありません。高速巡航だとまずまずですが（１１から１２ｋｍ／ｌ程度まではいきます）、街乗りすると当然一桁に落ちこみます。車が重たく、四駆で、２．５２ｌと排気量もそれなりにあり、アイドリングストップはなく基本設計の古いエンジンで、５ＡＴだから仕方ないでしょう。

　上下の動きは場合によっては大き目です。まあ、これは仕方ありません。サスペンションストロークが長いですから。ＳＵＶなので当然でしょう。

クーガの総合評価

　乗っていて楽しいです。ファミリーカーなのに走りを楽しめる車です。ステアフィールと乗り心地、高速安定性、シートなどなどもあり、高速巡航、長距離走行に適した車です。それでいて、コーナーも得意ですし、ある意味万能です。まあ、燃費は悪いし、小回りは効かないので街乗りには向きませんが。

クーガの引退

　クーガそのものはとても良いクルマで、ずっと乗っていたいのですが、２０２１年を迎えて、急激に乗り心地が劣化しました。元々電気系のトラブルが続いており、２０２２年の車検までに現役を引退させる予定でしたが、１年前倒しにして引退させることにしました。ただし、手放しがたくて、義弟のところにへ行きました。なので、いつでもまた会うことが出来ますし、乗ることも出来ます。

クーガ復活と４代目ファミリーカーに就役

　クーガを手放すことが出来ず、３代目ファミリーカーのＭ２を追い出して、ファミリーカーとして復活してしまいました。あの時、Ｍ２の下取りに出していればこんなことはなかったでしょう。どう考えても正しい判断とは思えません。ファミリーカーなのにこれではＡＷと同じです。もう手放しようがありません・・・・壊れて修理不能にならない限りは。クーガとの縁の糸もどうも鋼鉄製の丈夫な太いワイヤーのようです（苦笑）。

フォード　クーガ　Ｔｉｔａｎｉｕｍのスペック